アンカツ厳選の「3歳牡馬番付」。皐月賞、ダービーを制すのはどの馬だ (4ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

小結:ドウデュース(牡3歳)
(父ハーツクライ/戦績:4戦3勝、2着1回)

 デビューから3連勝でGI朝日杯フューチュリティS(12月19日/阪神・芝1600m)を制覇。その後、前走のGII弥生賞(3月6日/中山・芝2000m)では2着に終わったが、力負けではないし、決して悲観することはないだろう。鞍上が何かを確かめるような競馬をしているように見えたので、なおさらだ。

 完成度の高さと堅実さという点で、上位3頭に次ぐのはこの馬しかいない。ただ、乗りやすくて、まとまっている分、大物感が欠ける。特に決め手の部分で、「3強」と比べてやや見劣る印象がある。

 クラシックで活路を見出すとすれば、「3強」よりも前で競馬をして、早く動くこと。とりわけ皐月賞は、器用さのあるこの馬向きのレース。自らの武器を存分に発揮できれば、一角崩しの可能性はあるかもしれない。


前頭筆頭:ジオグリフ(牡3歳)
(父ドレフォン/戦績:4戦2勝、2着1回、着外1回)

 4番手まではすんなり決まったが、それらに続く存在については非常に悩んだ。候補馬は何頭か思い浮かぶものの、どの馬もここで名前を挙げるほどの強さを感じなかったからだ。結局、候補馬の中から消去法でこの馬を選んだ。

 前々走の朝日杯FSでは5着と凡走したが、あれは馬にとっては可哀相な競馬だった。後ろから行きすぎて、最終的には外をブン回すはめになって、届かずの5着。クリストフ・ルメール騎手にしては珍しく、精彩を欠いた騎乗だった。

 それでも、前走の共同通信杯ではこの馬本来の競馬で2着と奮闘。クラシックでも複勝圏内は狙える力はあると思う。

        ◆        ◆        ◆

 最近の牡馬クラシック戦線は、馬の実力比較がとても難しい。年々、有力馬がトライアルを使わない傾向にあって、本番前に直接対決を見られる機会がどんどん減っているからだ。今年は特にそれが顕著。その分、番付選定も難儀した。

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