安藤勝己が徹底検証。桜花賞、オークスの行方がわかる「3歳牝馬番付」 (4ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Sankei Visual

関脇:ライラック(牝3歳)

(父オルフェーヴル/戦績:3戦2勝、着外1回)

 この時期に「クラシック候補」と言われる馬たちの評価において悩ましいのは、重賞やオープンレースを勝った馬が、本当に強いのか、たまたまハマッただけなのか、それを見極めること。この馬の前走、GIIIフェアリーS(1月10日/中山・芝1600m)は、まさしくそんな一戦だった。

 同レースで、同馬は出遅れ。最後方からの競馬となった。それでも、道中で徐々にポジションを上げていって、最後は大外をブン回しながらも差しきり勝ち。この勝ち方があまりにも鮮やかだった。

 それゆえ、ハマッた感が強い。その点において、信用しきれないところがあるのは確かだが、あの脚が使えることは事実。混戦で浮上するのは、こういうタイプだ。

 なお、この馬もサークルオブライフやプレサージュリフトと同じく、桜花賞よりもオークスのほうが面白いと思う。


小結:スターズオンアース(牝3歳)
(父ドゥラメンテ/戦績:5戦1勝、2着3回、3着1回)

 ここまで5戦して、勝ったのは一度だけ。しかしながら、すべて3着以内。それも、ナミュールやプレサージュリフトなど強い面々を戦って善戦している。能力はあるものの、勝ちきるためには、あとひと押しが足りないタイプと言える。

 自分にも経験があるが、こういう馬に乗る時は「また勝てないだろう」という意識が潜在的に残っていて、騎手は無理に勝ちにいこうとしないもの。その分、無欲で、その馬の力だけは発揮させようとする。

 時に、その"無欲"が波乱を起こし、思わぬ結果をもたらすことがある。この馬にも、そういうラッキーが巡ってくるかどうか。桜花賞でも、オークスでも掲示板(5着以内)に入る力はあると思うが、はたして......。

        ◆        ◆        ◆

 今年の3歳牝馬は粒ぞろいだが、抜けた存在がいない。つまり"混戦"ということだ。

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