阪神大賞典は大本命に不安あり。馬場を味方にできる2頭が再び好配当を生み出すか (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「有馬記念2着後の今年初戦となりますが、追い切り開始日が少し遅れたことも影響してか、1週前のフォトパドックでは(馬体の)前後のバランスや、腹袋と背中のシルエットが昨年とは違う印象を受けました。地力は認めますが、昨年よりもパフォーマンスが劣るようだと、取りこぼしがあっても......。そうなれば、再び荒れる可能性は十分にあります」

 もしそうなった場合に浮上する馬について、吉田記者はこんな見解を示す。

「ディープボンドがしっかり動いて結果を出すようなら、台頭するのはそれをマークして一緒に上がってくる待機組が本筋。ですが、ディープボンドが振るわなければ、(待機組の)追い上げも遅くなって、逆にマークが緩んだ先行勢が踏ん張る確率が高まるのではないでしょうか」

 そこで、吉田記者は先行力と粘り腰で勝ち上がってきた馬を推奨馬に挙げる。

キングオブドラゴン(牡5歳)です。前走の3勝クラス・湾岸S(3月6日/中山・芝2200m)を勝ち上がってきた余勢に期待しています。

 前づけで適度に上がりがかかる競馬が合うタイプで、晩成型のハーツクライ産駒らしく、昨年の4歳秋を迎えて本格化しました。積極的な競馬でタフな流れを演出して1勝クラスを勝ち上がると、以降、2着、1着、2着、1着と一気にオープンまで上り詰めてきました。

 前走では中途半端に競り込まれ、前半は苦しい形から一度引いて2番手に下がりました。それでも、そこから立て直して、勝負どころで早めに前を捕まえにいって抜け出し、そのまま粘り込む競馬。あの競馬ができるなら、2、3番手になっても外からのプレッシャーがなければ、パフォーマンスを大きく落とすことはなさそうです。

 馬格、フットワークから距離延長は問題ないでしょう。前に行く馬と内枠が強い今の馬場を生かしつつ、タフな展開に持ち込めるようなら、勝ち負けに加わるチャンスが巡ってきてもおかしくありません」

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