スプリングSを穴党記者が徹底検証。タフな条件で強さを発揮しそうな伏兵2頭に大駆けの予感

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 3歳牡馬クラシックの第1弾、GI皐月賞(4月17日/中山・芝2000m)のトライアル戦となるGIIスプリングS(中山・芝1800m)が3月20日に行なわれる。

 過去10年の1番人気の成績は、2勝、2着5回、3着2回。3着以内に入る確率は、実に9割。残る1回も4着と、その信頼度はかなり高い。

 しかしながら、勝率は2割。伏兵に屈するシーンもしばしば見られ、3連単では好配当が頻繁に生まれている。昨年も5万円を超える配当となり、2019年には23万5870円という高額配当が出ている。

 つまり、1番人気が好成績を残しているとはいえ、ひと筋縄とはいかないレースと言える。そうした状況にあって、日刊スポーツの木南友輔記者も「(前哨戦として)ここから本番でも勝ち負けできる馬が出てくるかという点とともに、ここを目標に激走を遂げる"穴馬"の見極めも、しっかりとしたいところです」と語る。

 そして木南記者は、台頭する穴馬のタイプについては「今の馬場がポイントになる」と言ってこう続ける。

「スプリングSの舞台となる今の中山の馬場は、2週前のGII弥生賞(芝2000m)の時点ですでに4コーナーの内側でキックバックが目立っていました。先週のGIII中山牝馬S(芝1800m)でも、スタートしてから最初のコーナーまでが短いため、本来は内枠有利の舞台なのですが、大外枠発走のクリノプレミアムが外、外を回って勝利を飾りました。

 金曜、土曜の天気次第というところもあるでしょうが、時計的にあまり速い決着にはならないと思います。そういった馬場状態を鑑みて、瞬発力タイプよりも、タフな展開で強そうな脚質、血統の馬に注目したいです」

 そこで、木南記者は「本命にするかどうかはわかりませんが、印は回したい」と言って、オウケンボルト(牡3歳)を推奨馬に挙げる。

「前走の1勝クラス・水仙賞(2月26日/中山・芝2200m)では2着に敗れていますが、一昨年の勝ち馬ガロアクリーク(6番人気)、昨年2着のアサマノイタズラ(7番人気)も、ともに前走・水仙賞組。しかも、2頭とも4着敗戦から巻き返しています。

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