阪神大賞典は大本命に不安あり。馬場を味方にできる2頭が再び好配当を生み出すか
今週は3日間の変則開催。その中日となる3月20日には、GI天皇賞・春(5月1日/阪神・芝3200m)のステップレースとなるGII阪神大賞典(阪神・芝3000m)が行なわれる。
過去10年の1番人気の成績を見てみると、6勝、2着1回、3着1回。非常に安定した成績を残していて、堅い決着が多いレースだ。
ただし、過去2年は1番人気がともに馬券圏外(4着以下)に沈んでいるうえ、ここ3年は5番人気以下の伏兵の台頭が毎年見られている。そのため、3連単では2019年が8万7820円、2020年が4万140円、2021年が12万400円と好配当が続出。堅いレースから一転、近年は波乱傾向にある。
そして、今年も"荒れる"のか。
デイリー馬三郎の吉田順一記者はまず、京都競馬場の改修工事により、2月から開催が続いている阪神競馬場の馬場状態について分析。そのうえで、この舞台に合うタイプについて語る。
「先週に比べて気温はやや低めで、開催前の雨がどの程度影響するわかりませんが、暖かくなって野芝の根っこが活発になっていることを踏まえれば、クッション値はそれほど低くなることはなく、今週もある程度時計の出やすい馬場になると判断していいでしょう。
それでも、内回りの芝3000mは上がりがかかるタフな設定。過去10年のうち7年は良馬場で行なわれていますが、レースの上がり3ハロンの平均ラップは36秒1。瞬発力勝負に長けた馬よりも、総合的に脚が使えて底力のある馬のほうが上位争いを演じることが多いです」
こうした舞台の適性を鑑みれば、昨年の勝ち馬でもあるディープボンド(牡5歳)が本命視されるのは明らか。昨春の天皇賞・春でも2着、前走のGI有馬記念(12月26日/中山・芝2500m)でも2着になった実績を考えれば、断然の人気も予想されるが、吉田記者はこの中間の調整過程を受けて疑問を投げかける。
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