阪神大賞典で狙うべき血統は一択。牝系も抜群なオールラウンダーと、兄弟も優秀な2頭が推し

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 3月20日、阪神競馬場で4歳以上馬によるGⅡ阪神大賞典(芝3000m)が行なわれる。

 このレースは、5月1日に開催されるGI天皇賞・春(阪神・芝3200m)の前哨戦。京都競馬場の改修工事に伴い、27年ぶりに阪神競馬場で行なわれた昨年の天皇賞・春では、その前走で阪神大賞典を勝ったディープボンドが2着と好走した。今年も天皇賞・春は阪神で行なわれるため、そこを占う意味でも重要なこのレースを血統的視点から分析していこう。

現在2連勝中のマカオンドール現在2連勝中のマカオンドールこの記事に関連する写真を見る 阪神大賞典は過去11年の勝ち馬のうち、サンデーサイレンス系が10頭と圧倒的な好成績を残している。1~3着までの馬券に絡んだ33頭まで広げても、約79%の26頭がこのサンデーサイレンス系。非サンデーサイレンス系では、2020年の同レースを勝ち、昨年も2着だったユーキャンスマイル(父キングカメハメハ)は今年も出走予定だが、他系統の食い込みはなかなか難しそうだ。

 サンデーサイレンス系の中でも、特に好成績を残しているのがステイゴールド産駒。このレースは10戦して4勝、2着2回で、勝率40%、連対率60%。2013~15年にゴールドシップが3連覇しているほか、2018年にレインボーラインが勝利。2015年のゴールドシップとレインボーラインは、続く天皇賞・春も勝利している。

 今年はステイゴールド産駒の登録はないが、ゴールドシップ産駒からマカオンドール(牡4歳/栗東・今野貞一厩舎)が出走予定だ。

 同馬は2、3歳時からGⅢ京都2歳S(阪神・芝2000m)3着、GⅡ京都新聞杯(中京・芝2200m)3着など重賞で好走を続け、昨秋の江坂特別(阪神・芝2600m)、前走の万葉S(中京・芝3000m)を連勝してここに臨む。万葉Sはやや出遅れ気味のスタートから、直線入り口では大きく先頭から離されていたものの、最内を突いて鮮やかな差し切りを決めた。

 出遅れることもあるが、江坂特別では中団追走から早めに仕掛けて直線で突き放すなど、自在性も併せ持つ。近年の長距離戦に必要な、瞬発力とスタミナを併せ持つタイプだ。メンバーの中で、3000mで勝利があるのは3頭だが、同馬のみ1戦1勝で底を見せていない。

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