2021.10.02

100回目の凱旋門賞で武豊か日本馬の初勝利なるか。相手は「チャンピオンクラスだらけ」の欧州馬たち

  • 土屋真光●文 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 クロノジェネシスにとって唯一の誤算は、ドバイ遠征後、主戦だった北村友一騎手が落馬負傷で戦線を離脱してしまったことだ。宝塚記念では代打でクリストフ・ルメール騎手が配され、凱旋門賞の鞍上には日本でもおなじみのオイシン・マーフィー騎手が迎えられた。同騎手はイギリスでリーディングを独走中で、パリロンシャン競馬場も2018年のリニューアル初日に重賞を勝っているように、地元騎手にも引けを取らない。

 9月29日にはそのマーフィー騎手を背に、エーグル調教場の芝コースを疾走。前日にイギリスでナイター競馬に騎乗し、前夜1時にフランスに到着したというマーフィー騎手は、「日本から輸送されてきたことがわからないくらいにいい状態」と太鼓判を押し、再びナイター騎乗のためにイギリスへ"トンボ返り"した。枠順は外から2番目の14番枠。決して歓迎できる枠ではないが、26歳の若き名手はどのような手綱さばきを見せるか。

 もう1頭の日本馬ディープボンドはクロノジェネシスとは対照的に、前哨戦のGⅡフォワ賞(パリロンシャン/芝2400m)を使っての参戦。そのフォワ賞ではじわりと先手を取り、直線では後続を突き放す圧勝で、現地でも有力馬の1頭として注目されるようになった。

前哨戦のGⅡフォワ賞の勝利で評価を上げたディープボンド前哨戦のGⅡフォワ賞の勝利で評価を上げたディープボンド この記事に関連する写真を見る  中2週での競馬は最近では珍しいケースだが、3歳春にGI皐月賞(中山/芝2000m)→GII京都新聞杯(京都/芝2200m)→GI日本ダービー(東京/芝2400m)と使い、その中で京都新聞杯を勝って、ダービーでも5着と好走している。レース後も疲労は残さず、陣営の目論見どおりの調整ができているようだ。

 しかし、こちらも直前に騎手を巡るアクシデントが発生した。フォワ賞で勝利に導いたクリスチャン・デムーロ騎手が本番でも騎乗予定だったが、優先契約厩舎であるJC・ルジェ厩舎のラービアー(牝4歳)が、当初は出走する予定がなかった凱旋門賞に参戦することになり、ディープボンドに騎乗できなくなってしまった。