大阪杯で打倒コントレイルへ。グランアレグリアは2000mもこなせる (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 筆者としては、「こなせる」と見ている。最近のグランアレグリアは決してスピード一辺倒ではなく、直線まで脚を溜めて、末脚を爆発させるという競馬ができているからだ。前走のマイルチャンピオンシップは1000m通過が58秒5で、2000mのGⅠでもあり得るラップタイム。その流れを5番手で追走できていた。ペースが速くなればなるほど折り合いがつき、直線で豪脚を発揮できるだろう。

 過去、2000mで勝利がないマイルGⅠ馬が、古馬2000mのGⅠに挑んだ例は少なくない。例えば2016年のモーリスは、それまでマイルGⅠを4勝、2000mではGⅡ札幌記念2着という実績ながら、GⅠ天皇賞・秋(東京/芝2000m)で1馬身半差の快勝。そのほか、2001年の天皇賞・秋を制したアグネスデジタル、1993年の天皇賞・秋を制したヤマニンゼファーも、初の芝2000m出走で勝利を飾っている。

 マイルGⅠは、スピードだけでなくスタミナも兼ね備えていなければ簡単に勝てるものではない。マイルGⅠ馬でも、折り合いがついて脚を溜められるタイプであれば、2000mをこなせるのだ。

 とはいえ、2000mの安定感という意味では、やはりコントレイルが上。特に極度のスローペースになった場合、グランアレグリアは慣れない展開に折り合いを欠く可能性がある。対するコントレイルは、菊花賞で1000m通過1分02秒2のスローペースにも対応している。グランアレグリアがコントレイルに勝つには、展開の助けが必要だろう。

 以上、今年の大阪杯はコントレイルが勝利する可能性が高いが、展開次第ではグランアレグリアの逆転もあり得ると見る。現役屈指の実力馬による名勝負が期待できそうだ。

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