2020.11.24

ジャパンCで思い出すオグリキャップの雄姿。「美しい2着」にファンが感涙

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Sankei Visual

 オグリキャップが"伝説の馬"になった要因のひとつに、壮絶な戦いを繰り返した1989年の秋競馬がある。

 このシーズンにおいて、オグリキャップは初戦のGIIIオールカマー(中山・芝2200m。※現在はGII)を皮切りに、およそ2カ月の間にGI3戦を含む重賞5戦を戦った。今の競馬では考えられない、いや、当時としても異例の過密スケジュールをこなしている。

 だが、オグリキャップはその"酷使"にもじっと耐え、それだけでなく、その5戦で3勝、2着2回という戦績を残して、周囲の期待に応えた。トップレベルの馬で、これほど短い間に、これだけの走りを披露し、しかも結果を出し続けた馬は、近代競馬では例を見ない。

 そして、その激闘のハイライトとなったのが、GIジャパンC(東京・芝2400m)だった。

1989年のジャパンC。オグリキャップは惜しくも2着だった 実はこの5戦、初戦のオールカマーを除けば、勝つにしろ、2着に負けるにしろ、着差はすべてタイム差なしの、コンマ0秒。つまり、2戦目のGII毎日王冠(東京・芝1800m)以降、オグリキャップはハナ、クビ差の接戦を繰り返し、世界を相手にする大一番でも、タイム差なしの接戦を演じた、ということだ。

 オグリキャップは、中央に移籍した当初のマイル戦で圧勝していたように、スピード能力に優れていることはわかっていた。ただそれ以上に、他の馬よりも勝っていたのは、"並んだら抜かせない""抜かれたら抜き返す"という勝負根性だった。

 それを証明するのが"コンマ0秒の激闘"の軌跡である。