堤礼実アナがジャパンカップに複雑な思い。夢対決が「ついに来てしまった」 (2ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

 ともあれ、その日行なわれた天皇賞(秋)では、秋華賞、菊花賞に続いて、歴史的な快挙が達成されました。アーモンドアイが史上初の芝GI通算8勝目を手にしたのです。

 レース前は「絶対に勝ってほしい」とは思いつつも、正直「実際のところはどうなのだろう?」といった不安な気持ちもありました。当日のアーモンドアイの単勝オッズは1.4倍。単勝1.1倍だった菊花賞のコントレイルと比べると、世間的にも不安に思っている人が意外と多いのかも? とも思いました。

 ですから、無事にゲートを出たときはホッとしました。アーモンドアイは、あまりゲートが得意ではないと言われていて、どのレースでも「大丈夫かな」と心配しながら見守っていますが、今回は特に緊張して見ていました。

 そうして、最後の直線もかなり際どい勝負になりました。

「お願い、お願い、お願い、逃げて、逃げて、逃げて......」

 私は心の中で、訳もわからず叫んでいたような気がします(苦笑)。

 でも、終わってみれば、アーモンドアイはアーモンドアイでしたね。彼女が今持っている100%の力を見られたレースだったと思います。

 レース後のクリストフ・ルメール騎手の涙にも、グッとくるものがありました。ルメール騎手はこれまでにも多くの馬に騎乗されて、どの馬にも思い入れがあるとは思いますが、これだけいろいろな記録を作ったパートナーは、特別な存在だったのかもしれませんね。

 ルメール騎手とアーモンドアイの間にある、絆、愛情が垣間見えた気がして、思わずこちらもウルッときてしまいました。

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