中京で行なわれるセントウルS。同舞台を得意とする古豪の一発がある (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 しかしながら、今春のGII京王杯スプリングC(5月16日/東京・芝1400m)を完勝。そのレース内容からして、左回りに死角があるようには感じませんでした。これまで中京で結果が出ていないのは、あくまでも"巡り合わせの問題"と割り切っていいと思います。

 そして今回、個人的に興味をひかれたのが、前走のGI安田記念(8着。6月7日/東京・芝1600m)に続いて、三浦皇成騎手が鞍上を務めること。以前手綱を取っていた川田将雅騎手にセントウルSでの騎乗馬がいないなか、引き続き三浦騎手が手綱を取るということは、スプリンターズSまでコンビを組んでいく予定なのでしょう。

 ダノンスマッシュも、三浦騎手も、実績は十分にありながら、JRAのGI制覇には手が届いていません。ここで、スプリンターズSでの勝利が期待できるような内容、結果を見せてほしいと思います。

 ミスターメロディは、昨年の高松宮記念の覇者。3歳時には、ダノンスマッシュが敗れたファルコンSでも勝利を挙げています。セントウルSが阪神ではなく、中京で行なわれることは、大歓迎のクチでしょう。

 ここ最近は、昨秋にダート戦の地方交流GI JBCスプリント(6着。浦和・ダート1400m)に参戦して結果が出なかったり、今春もドバイに遠征しながらレースが中止になったり、その結果、前走の安田記念(11着)でも振るわなかったりと、今ひとつリズムがよくありません。

 それでも、今回は久しぶりに予定どおりに調整が進んでいるとのこと。高松宮記念以来の勝利なるか、楽しみです。

 3歳馬のビアンフェは、初の古馬相手のレース。力試しの一戦となりますが、1200m戦では連対を外したことがない、という安定感が光ります。ここでも上位争いが期待されます。

 ただひとつ気になるのは、夏の重賞で3歳馬が古馬相手に不振だったこと。GII札幌記念のブラックホール(9着)、GIII新潟記念のワーケア(10着)と、いずれもダービー出走組が惨敗し、古馬相手に通用しなかったことは不安材料となります。

 3歳馬のスプリント戦線ではトップクラスの存在となるビアンフェ。今年の3歳世代の実力を推し量るうえでも、同馬がここで通用するかどうか、注目されます。

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