デアリングタクト、オークス制覇に唯一心配点。二冠達成の確率は? (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 つまり、デアリングタクトにしてみれば、東京までの長距離輸送は、最大の不安材料と言えます。ある程度、テンションが上がるのは仕方がないとしても、それをレースに支障が出ないところまで、どうやって抑えるか。そこが、勝敗を左右するポイントになると思います。

 ここに来て、トライアルのスイートピーS(5月3日/東京・芝1800m)を快勝したデゼル(牝3歳)の評価が急浮上。最大のライバルと目されているようですが、デアリングタクトにとって、それ以上に重要視されるのは、自分との戦い。二冠達成のカギは、いかにして自分に勝つか、でしょう」

 実は、オークスは1番人気が強いレースだ。過去10年で1番人気は、5勝、2着2回、3着1回、着外2回という好成績を残している。とりわけ直近は、4年連続で1番人気が勝っている。

 強い馬が実力どおりに勝つ――それが、最近のオークスだ。

 ならば、今年のメンバーでそれにふさわしいのは、桜花賞を「ケタ違いの強さ」で勝ったデアリングタクト以外にはいない。

 たしかにテンションの高さは気になるところだが、デビュー以来、常にそうした素振りを見せながら、それでもレースでは強烈な走りを見せて、きちんと結果を出してきた。

 今回もまた、デアリングタクトは"自分との戦い"に勝つだろう。二冠を遂げる確率は、100%とは言わないが、それに近い数字であることは間違いない。

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