サンクテュエール、牝馬三冠なるか注目。「理想的な成長」を遂げている (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 昨夏にデビューした同馬は、単勝1.5倍と圧倒的な支持を得た2歳新馬(8月11日/新潟・芝1600m)を難なく勝利。道中2番手を追走し、直線では上がり33秒6の末脚を繰り出して、逃げるファイヤーテーラーをゴール板前できっちりかわした。

 2戦目には、GIIIアルテミスS(10月26日/東京・芝1600m)に挑んだ。ここでも、好位2番手につけてレースを進めるが、直線で逃げるビッククインバイオをかわせずにいると、最後は外から追い込んできたリアアメリアにかわされてしまった。それでも、何とか2着を確保して、能力の高さは示した。

 迎えた3戦目が、シンザン記念だった。スタートで立ち遅れるも、すぐにポジションを上げて3番手をキープ。最後は2番手から抜け出したプリンスリターンと熾烈な叩き合いを演じて、狭いインからクビ差抜け出して重賞勝ちを決めた。

 派手な勝ちっぷりはないものの、安定したレースぶりで着実に成長を重ねてきたサンクテュエール。牝馬のシンザン記念勝ちとあって、俄然注目を集めているが、身近に見てきたスタッフは同馬について、どう見ているのか。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「サンクテュエールについてスタッフは、その調教の手応えから『大きいところを狙える』と、デビュー前から感じていたようです。ただ、初戦が思いのほか僅差(1馬身4分の1)の勝利だったため、やや拍子抜けしたみたいです。

 ともあれ、それは物見をしていたことが原因だったようで、2戦目、3戦目と、そのレースぶりは良化。スタッフも、『競馬をこなすごとに走りがよくなっており、理想的な成長を見せている』と、満足そうに振り返っています」

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