上がり馬には負けはせん。エルムSは復活劇を目指す3頭の鼻息が荒い (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 タイムフライヤーについては、デイリースポーツの大西修平記者も注目する。

「3歳時にクラシックを戦い抜き、6着だった菊花賞では一線級とも差のない脚力を見せてきました。能力の高さは疑いようがありません。血統的にもダートの適性は高そうです」

 今回のレースは、前走のGII京都記念(8着。2月10日/京都・芝2200m)から、およそ半年ぶりの実戦となる。その点についても「不安はない」と大西記者は言う。

「脚もとに不安が出たため、前走から間隔が空きましたが、復帰に向けて慎重に立ち上げて、追分ファームのリリーバレーでじっくり乗り込んでから、7月中旬に函館入り。そこからも調整を重ねてきたことで、動ける体に仕上がっています。

 加えて、以前よりもトモがしっかりしてきたことで、走りにブレや無駄がなくなってきました。初ダートという未知の魅力にかける価値は、大いにあると思いますよ」

 実は、大西記者にはタイムフライヤー以上に推す馬がいる。テーオーエナジー(牡4歳)だ。

「近2走がふた桁着順と不振でしたが、ひと息入れてリフレッシュしたことが功を奏しました。およそ4カ月ぶりのレースとなりますが、中間の攻め気配はいい頃とそん色なく、力を出せる態勢は整っていると見ています。(北海道の)涼しい気候が合うのか、陣営によれば『カイ食いも問題がない』とのことで、しっかりと調整できているのは大きいでしょう」

 テーオーエナジーは3歳時、小回りの園田競馬場で地方交流重賞を制した実績がある。

「中央競馬のダート1700m戦は今回が初めてになりますが、持ち味の先行力で対応は可能だと思います。特徴を知る岩田康誠騎手とのコンビも心強く、一変のチャンスは十分にあるはずです」

 猛烈な酷暑が続くなか、気持ちよくお盆休みを過ごすためにも、ここでオイシイ配当をゲットしたいところ。その手助けをしてくれる馬が、ここに挙げた3頭の中にいるかもしれない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る