アイビスSDは「千直」の新時代を築く4歳牝馬があっと言わせる (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 その他ではやはり先行力のある馬、今年で3度目の挑戦になるレジーナフォルテ(牝5歳)や、前走でGIII函館スプリントS(6月16日/函館・芝1200m)を逃げ切った、江田照男騎手騎乗のカイザーメランジェ(牡4歳)らに興味が注がれます。いずれも、自分の力を出し切れば、チャンスが巡ってくると思います。

 最後に、今年のアイビスサマーダッシュの「ヒモ穴馬」ですが、カッパツハッチ(牝4歳)を取り上げたいと思います。同馬も先行力があって、千直への適性の高さを感じる1頭です。

「千直」の勢力図を塗り替えそうなカッパツハッチ「千直」の勢力図を塗り替えそうなカッパツハッチ ライオンボスの走りに注目が集まった前走の韋駄天Sにおいても、スタートからライオンボスと並走し、最後は4分の3馬身差の2着と奮闘。タイムも54秒0と、かなりの好内容だったと思います。

 ライオンボスと同じ4歳馬で、千直を初めて走ったのが今年の春、というのもライオンボスと同じです。まだまだ奥がありそうな雰囲気を感じていて、ライオンボスとともに千直の勢力図を一気に塗り替えていくのではないか、と期待しています。

 斤量54㎏というのは、他の有力馬と比べても有利に見えます。枠順(2枠3番)には恵まれませんでしたが、人気馬にあっと言わせるような走りを見せてほしいです。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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