武豊が騎乗のディアドラ、調子は上々。
英伝統レースで注目馬の状況は?

  • 土屋真光●文・撮影
  • text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 英国伝統の王室主催競馬「ロイヤルアスコット」の2日目、現地時間6月19日の午後(日本時間で同日の深夜)に行なわれるGIプリンスオブウェールズステークス(アスコット/芝1990m)に、日本から武豊が騎乗するディアドラ(牝5歳/橋田満厩舎)が挑戦する。

レースに向けて調整を行なうディアドラレースに向けて調整を行なうディアドラ 格式あるレースに日本調教馬が挑戦するだけでも胸が熱くなるが、その馬券が日本で買える日がやって来たとなれば、競馬ファンなら張り切らざるを得ない。先週末の中央競馬が、大量の出走取消しで不完全燃焼に終わっただけに、伝統のレースをしっかりと仕留めて気持ちよく今週末の宝塚記念を迎えたいところだ。
 
 まずは、早くからイギリス入りしていたディアドラの状況から見ていこう。
 
 4月に香港で行なわれたGIクイーンエリザベス2世カップ(シャティン/芝2000m)で6着に敗れた3日後、香港から渡英してニューマーケット調教場で調整が続けられてきた。4着に入った3月のドバイターフ(メイダン/芝1800m)、香港と転戦してきても、関係者曰く「疲れはなかった」とのことだが、久しぶりとなる坂の走路での調教で、しばらくダメージが残ったようだ。

 ただ、イギリス入りからの6週間でその時期も無事に切り抜け、現在の体調は上向きだという。レースを4日後に控えた15日には、ニューマーケットのアルバハスリコースで最終追い切りを消化。単走ながら、200m以上前を行く滞在先の厩舎の馬をあっさりと追い抜く動きのよさを見せた。大手ブックメーカーによる目下の単勝オッズでは25倍~30倍見当、日本のオッズでも10倍台を切らないようであれば狙ってみたい。

 大手ブックメーカーでの人気は、アイルランドのマジカル(牝4歳)、イギリスのシーオブクラス(牝4歳)とクリスタルオーシャン(牡5歳)の三つ巴の様相。マジカルとシーオブクラスは昨年の凱旋門賞にも出走していたので、記憶しているファンも多いだろう。

 1番人気に推されているマジカルは、昨年の凱旋門賞こそ10着だったが、その約2週間後にイギリスのGIレースを勝つなど一気に本格化。今年に入っても、アイルランドで行なわれた前走GIタタソールズゴールドC(カラ/芝2100m)を含む3戦をいずれも勝利している。

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