15年前と酷似の天皇賞・春。上位人気の4歳勢を無視して高配当を狙え (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 続いてチェスナットコートについて、木南記者はこう分析する。

「チェスナットコートは、初勝利がデビュー6戦目。3歳春の新潟でした。(レースを)使って、使ってよくなっていった馬です。昨秋のメルボルン遠征のあと、およそ4カ月半ぶりに挑んだ前走の日経賞では9着と完敗を喫しましたが、レースを使ったことによる一変があっても驚けません。

 また、第1回、第2回開催では上がりがかかっていた京都ですが、それが嘘のように第3回開催の開幕週では、かなりの高速馬場となっていました。速い上がりが求められるレースとなれば、この馬にとってはプラス。展開次第では、侮れない存在になると思います」

 木南記者が指摘する馬場状態については、デイリー馬三郎の吉田順一記者も注視。その点を鑑みて、天皇賞・春についての見通しも語る。

「今開催の(京都競馬場の馬場について)馬場造園課の見立ては、『雨中の競馬が少なく、昨年よりいい状態です』ときっぱり。天候に恵まれて、野芝は元気いっぱい。絶好のコンディションで開幕週を迎えました。

 すると、開幕週のレースでは見たことのないような、驚異的なタイムが続出。当初の想像を上回る、超高速馬場となっていました。

 これで、前が止まらないことを(頭の中に)植えつけられたジョッキーの心理から、仕掛けはどうしても早くなりそうです。そこで、展開のキーマンとなりそうなのが、勝ち味に遅いエタリオウ。長く脚を使いたいでしょうから、なおさらです」

 つまり、生粋のステイヤーであるエタリオウが早く動くのではないか、と吉田記者は見ている。そうなると、前にいく組にとっては厳しい展開になりそうだが、吉田記者は逆に、その先行勢にチャンスがあると言う。

「今の馬場を踏まえれば、そのエタリオウが来るまでに楽をしている前の組が優勢です。そこで面白いのが、逃げるロードヴァンドール(牡6歳)です」

 日経賞で逃げ切り勝ちを収めたメイショウテッコンとの激しい先行争いが予想されるが、「そうはならない」というのが吉田記者の見立てだ。

「メイショウテッコンは、昨夏のGIIIラジオNIKKEI賞(福島・芝1800m)を好位につけて快勝。外からのプレッシャーさえなければオーケーというタイプで、そこまでハナにはこだわらないと思います。

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