デビュー4戦4勝のアドマイヤマーズ。
2歳王者はとにかく抜かせない

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

2019年クラシック候補たち
第1回:アドマイヤマーズ

 その年を代表する馬たちに送られる『JRA賞』。さまざまな部門が設けられているなかで、昨年の最優秀2歳牡馬を受賞したのは、友道康夫厩舎(栗東トレセン)に所属するアドマイヤマーズ(牡3歳/父ダイワメジャー)だった。

 同馬は、昨年末のGI朝日杯フューチュリティS(12月16日/阪神・芝1600m)を制覇。デビューから無傷の4連勝という快挙を遂げての戴冠だった。まさに非の打ち所がない成績で、今春のクラシックにおける有力候補の1頭だ。

昨年のJRA賞で最優秀2歳牡馬に選出されたアドマイヤマーズ昨年のJRA賞で最優秀2歳牡馬に選出されたアドマイヤマーズ デビューしたのは、昨年6月の2歳新馬(6月30日/中京・芝1600m)。実はこのレースが、これまでの4戦の中で最も際どいレースだった。2着ケイデンスコールに、ハナ差で競り勝っての白星だった。

 とはいえ、そのケイデンスコールも、のちにGIII新潟2歳S(8月26日/新潟・芝1600m)を勝利。それだけハイレベルなデビュー戦だった、ということだろう。

 アドマイヤマーズはその後、オープン特別の中京2歳S(7月21日/中京・芝1600m)、GIIデイリー杯2歳S(11月10日/京都・芝1600m)を勝って、3連勝を飾った。それぞれ、後続との着差は3馬身差、4分の3馬身差と開きはあるものの、いずれも危なげない勝利だった。

 そして、迎えた朝日杯FS。新馬、重賞と圧勝してきた話題の牝馬グランアレグリアに1番人気は譲ったものの、レースでは勝ち星でひとつ上回る実績と、牡馬としての意地を存分に見せつけた。

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