繁栄の一族の系譜。シルヴァーソニックはクラシック制覇を狙える器か (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

 そもそも、母はGII阪神牝馬S(阪神・芝1600m)を勝ち、海外のGIモーリス・ド・ゲスト賞(フランス・芝1300m)で2着と好走したエアトゥーレ。さらにその母は、海外のGI戦線で奮闘し、GIムーラン・ド・ロンシャン賞(フランス・芝1600m)を勝っているスキーパラダイスと、まさしく繁栄の一族である。

 そうした血統背景もあって、シルヴァーソニックへの期待は否が応でも高まってしまうのだが、実際のところ、同馬に対する周囲の評価はどうなのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「スタッフによると、シルヴァーソニックは『(馬体に)柔らかみがあって、見栄えがいい。乗り味も悪くない』とのこと。調教を重ねるなかで、反応もよくなってきているようです。気性も素直で、ある程度の水準レベルにはありそうですね。陣営は『芝の軽いところが合いそう』と話しています」

 ちなみに、兄姉との比較では、先述のトラックマンがこう分析する。

「この血統は、父によってタイプが大きく変わるのが特徴です。シルヴァーソニックの場合、調教の動きだけを見ていると、あまりスパッと切れる印象はないんですよね。この辺りは、父オルフェーヴルの要素が出ているのかもしれません。瞬発力に秀でた産駒はあまり多くないですから。それでも、実戦でどういう走りを見せるのか、楽しみな素材であることは間違いありません」

 現状、シルヴァーソニックは1月20日の3歳新馬(京都・芝1600m)でデビューする予定。兄キャプテントゥーレに続いて、クラシックで躍動できるのか。まずは初陣の走りに注目したい。

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