31年ぶりの快挙を遂げた姉プリモシーンにも劣らぬ、パロネラの評判

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第31回:パロネラ

 クラシックをはじめ、今年の競馬界を盛り上げてきた若き3歳馬たち。彼らが来年、古馬になってどんな活躍を見せるのか、大いに楽しみである。と同時に注目されるのは、そうした3歳馬たちの弟や妹。兄、姉らの活躍を受けて、否が応でも脚光を浴びることになる。

 これからデビューする2歳馬の中にも、そんな1頭がいる。美浦トレセンの木村哲也厩舎に所属するパロネラ(牝2歳/父ロードカナロア)である。

 同馬の姉は今年、重賞を2勝したプリモシーン(牝3歳/父ディープインパクト)だ。最初の重賞制覇は、年明け早々のGIIIフェアリーS(1月7日/中山・芝1600m)。クラシックを見据えた粒ぞろいのメンバーがそろうなか、中団でレースを進め、直線に入って外から抜け出して快勝した。

 そして圧巻だったのが、重賞2勝目となったGIII関屋記念(8月12日/新潟・芝1600m)。古馬、しかも牡馬混合の重賞でありながら、1番人気に支持されて、見事にその期待に応えて勝利を飾ったのである。

 この重賞を3歳馬が制したのは、1996年以来のこと。それも3歳牝馬の勝利となると、さらに遡(さかのぼ)って1987年以来という、31年ぶりの快挙だった。

 51kgの軽い斤量だったとはいえ、3歳馬と古馬との実力差がまだまだ大きい8月のレース。そこでの白星は、まさに彼女のポテンシャルの高さを示したと言える。

重賞で2勝を挙げているパロネラの姉、プリモシーン重賞で2勝を挙げているパロネラの姉、プリモシーン

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