穴党記者が現場の声を重視。天皇賞・秋は穴馬3頭の一発が匂っている

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 断然人気のアーモンドアイが勝利を飾って、比較的堅い決着に終わった秋華賞から一転、菊花賞は7番人気の伏兵フィエールマンが勝利し、3連単の配当が10万円を超える波乱となった。

 ますます盛り上がる秋のGIシリーズ。今週は舞台を京都から東京に移して、秋の"古馬三冠"の初戦となる天皇賞・秋(東京・芝2000m)が10月28日に行なわれる。

 目下のところ、出走予定13頭中、GI馬が7頭という豪華メンバーだが、その分、思わぬ人気薄となる実力馬が必ず何頭か出てくる。そんな状況ゆえ、今が"旬"の、香ばしく焼けた秋刀魚のように、天皇賞・秋からは波乱の匂いがプンプンする。

 その注目のレースを前にして、デイリー馬三郎の吉田順一記者はこんな見解を示す。

「13頭という頭数になったことで、上位と下位の差が明白になりました。さらに、顔ぶれを考慮すると、スローペースの可能性が出てきました。

 ただそれでも、先週のGIII富士S(東京・芝1600m)で1分31秒7の好時計が計測され、また東京開催1週目のGII毎日王冠(芝1800m)、2週目のGII府中牝馬S(芝1800m)と、ともに1分44秒台という速い決着となりました。(馬券検討においては)そうした高速馬場であることも、頭に入れておかなければいけないでしょう」

 これらの条件を踏まえて、吉田記者はレースの方向性をこう分析する。

「時計の速い軽い芝なら、究極の瞬発力勝負となる可能性もありますが、頭数が落ち着いたことで、鞍上の思惑どおりにレースを運べる公算が高くなりました。とすると、上がりの速い競馬は避けたいダンビュライト(牡4歳)、ミッキーロケット(牡5歳)、そしてキセキ(牡4歳)やスワーヴリチャード(牡4歳)あたりは、発馬次第では主導権を握ることも考えられます。その流れ(ラップ)次第で、上位の顔ぶれはガラッと変わりそうです」

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