穴馬候補は5頭。菊花賞で台頭する伏兵馬のパターンは決まっている (4ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 クリンチャーも、皐月賞こそ4着と健闘したものの、ダービーは13着と惨敗。休養を挟んだあとも、前哨戦のセントライト記念で9着と再び大敗を喫した。さすがに巻き返しは望めないと思われて人気は急落したが、本番で2着という大躍進を果たした。

 やはり特殊な舞台設定ゆえ、予想もしなかった馬の大激走が時に見られる。そこには、近走の成績だけでは推し量れない"変化"があるのだろう。

 ただし、そうした"激変"の可能性を秘めるのは、早いうちに能力の高さを示して、春のクラシックに駒を進めるだけの実力があった馬。フローテーションにしても、クリンチャーにしても、3歳春までにはオープン特別を勝ったり、重賞で好走したりしていた。

 実はこれら2頭と似たタイプで、激変があってもおかしくない馬が今年もいる。

 タイムフライヤーだ。

 同馬は、皐月賞で10着、ダービーでも11着と大敗。休み明けの前走、神戸新聞杯でも6着となって好材料は見当たらない。

 だが、フローテーションやクリンチャーと同じく、タイムフライヤーはデビュー早々に頭角を現して、2歳GIのホープフルS(中山・芝2000m)を制覇。GI馬ゆえ、春のクラシックでは有力馬の1頭に数えられていた実力馬だ。

 ならば、出走予定のどの馬も経験したことのない舞台で"大変身"を遂げる可能性は大いにある。フローテーション、クリンチャーに続く、とんでもない波乱の立役者になっても不思議ではない。

「強い馬が勝つ」と言われているとおり、菊花賞は三冠の中でももっとも実力が問われるレースではある。しかし、近年は伏兵の台頭もよく見られる。ここに挙げた5頭の中から好みの馬をピックアップして、一攫千金を狙ってみるのも一興ではないだろうか。

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