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アエロリットが目標になる毎日王冠。
逆転候補は決め手ある「3歳馬」

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今週から、いよいよ秋の東京開催がスタートします。

 以前にも何度か触れてきましたが、東京競馬場はコース形態、収容人数など、国内ナンバー1のスケールを誇ります。日本ダービーやジャパンカップなど、日本競馬を代表するビッグレースが開催されるコースであり、競馬関係者にとっても憧れの舞台です。

 ゆえに、毎年この時期の東京開催が始まると、「秋競馬も佳境に入るなぁ」と感じるものです。

 この秋の東京開催の開幕週には、ふたつの重賞が行なわれます。2歳馬によって争われるGIIIサウジアラビアロイヤルカップ(10月6日/東京・芝1600m)と、伝統の一戦となるGII毎日王冠(10月7日/東京・芝1800m)です。

 前者が新設重賞であることを思えば、東京開催の幕開けを告げる重賞と言えば、やはり毎日王冠でしょう。グレード制が導入された1984年以降、変わらずこの時期に、芝1800mという舞台設定でずっと開催されてきました。

 GI馬が出走しやすい別定戦であることに加えて、このあとのGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)、もしくはGIマイルCS(京都・芝1600m)へのステップレースでもあるため、秋の古馬"王道路線"とマイル路線と、複数の路線からトップホースが集うことが多く、ある意味、天皇賞・秋以上に見応えのあるレースかもしれません。

 今年も、昨年の菊花賞馬であるキセキ(牡4歳)をはじめ、古豪のサウンズオブアース(牡7歳)やステファノス(牡7歳)、さらに新興勢力となるサトノアーサー(牡4歳)など、このあとは"王道路線"に進むであろう面々だけでなく、昨年のGI NHKマイルC(東京・芝1600m)の覇者アエロリット(牝4歳)、今年のNHKマイルCを制したケイアイノーテック(牡3歳)に、ニュージーランドトロフィー(中山・芝1600m)を勝ったカツジ(牡3歳)らマイル路線組も参戦。おまけに、今春のクラシック路線を歩んできたステルヴィオ(牡3歳)など多彩なメンバーが顔をそろえ、見どころ満載のレースになりそうです。

 このメンバーの中で1番人気に推されそうなのは、今春のGI安田記念(6月3日/東京・芝1600m)でも僅差の2着と好走したアエロリットでしょうか。牝馬ですが、鞍上にジョアン・モレイラ騎手を配し、鞍上込みで人気になりそうですね。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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