新潟記念は、荒れ馬場得意の「穴馬」に
勝利の女神が優しく味方する

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 いまだ全国各地で猛暑日が続くなか、はや夏競馬は最終週を迎える。オーラスを飾るのは、伝統の一戦となるGIII新潟記念(9月2日/新潟・芝2000m)。ハンデ戦ということもあって、波乱の多い重賞と知られる。

 実際、過去10年で1番人気が勝ったのは1回のみ。ここ2年連続で2着に入っているものの、それを含めて計3回しか馬券(3着以内)に絡んでいない。

 おかげで、過去10年の3連単の配当はすべて万馬券。2014年が2万円台、2016年が5万円台だった他は、10万円以上の高配当となっており、2008年は100万円超えの超万馬券となっている。まさしく夏の最後を飾るにふさわしい"大花火"が、ほぼ毎年打ち上がっているのである。

 そして今年、1番人気に目されているのは、4戦3勝の3歳馬ブラストワンピース(牡3歳)。唯一の敗戦となった前走のGI日本ダービー(5月27日/東京・芝2400m)でも5着と奮闘しており、歴戦の古馬勢を抑えて人気になるのも頷ける。

 ただ同馬にとって、ここは秋を見据えての始動戦。大きな目標は先々にあるだけに、取りこぼしがあってもおかしくない。その点については、日刊スポーツの松田直樹記者も同様の見解を示し、ブラストワンピースに対して疑いの目を向ける。

「1週前の追い切りにまたがった池添謙一騎手は、『古馬とは初対戦となるけど、(ブラストワンピースは)ここでつまずく器じゃない』と話していましたが、前走のダービー5着のときもプラス10kg(532kg)の出走で、太め残りだったことは陣営も認めています。はたして今回も、本来の能力を発揮できるかどうか。休み明けの巨漢馬ゆえ、どうしても割引せざるを得ません」

 スポーツ報知の坂本達洋記者も、ブラストワンピースの強さを認めつつも、馬券的には「工夫が必要」だと言う。

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