落札総額は過去最高も、今年のセレクトセールは高額馬戦線に異状あり!

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 7月9日、10日の両日、日本最大のサラブレッド市場「セレクトセール2018」(主催・JRHA日本競走馬協会)が、北海道苫小牧市のノーザンホースパークにて行なわれた。

 例年、売り上げ規模の上昇がとどまることを知らないこのセール。今年もその数字を伸ばし、2日間で1歳馬と当歳馬の合計464頭が上場され、416頭が売却された落札総額は179億3200万円(税抜き、以下同)と、6年連続で過去最高を更新した。

 とくに1歳の落札率は90.6%という驚異的な数字を残すこととなり、1頭当たりの平均価格も1歳では初の4000万円台となる4585万円(昨年は約3997万円)に到達した。また、1億円以上の落札額となったのは、1歳が23頭、当歳が16頭の合計39頭と、これも過去最高だった昨年の32頭を上回った。

 購買者別で見ると、「ダノン」の冠でおなじみの(株)ダノックスが、キングスローズの2017(牡1歳、父ディープインパクト)の2億5000万円を筆頭に、合計11頭で総額11億8900万円を購買。リアアントニアの2018(牡0歳、父ディープインパクト)など、合計10頭で総額10億1800万円を購買した「サトミ」の冠名の(株)サトミホースカンパニーがこれに続いた。

1日目の最高額をつけたキングスローズの20171日目の最高額をつけたキングスローズの2017 そのほか、ワグネリアン(牡3歳、父ディープインパクト)で今年の日本ダービーを制し、ダービー4勝目となった金子真人ホールディングス(株)が9頭で9億800万円、「ミッキー」の野田みづき氏が同じく9頭で7億4000万円、「アドマイヤ」の近藤利一氏も9頭で5億3100万円と、お馴染みの"ビリオネア"たちが今年も活発な購買を行なっていた。

 ただ、サトミホースカンパニーにしても昨年より6億円以上も落札額が抑えられ、近藤利一氏も昨年は1頭で5億円超えのインパクトが強かっただけに、今年は控えめのように見えた。両者ともに"億超え"の購買はあったが、1000万円台の馬の購買もあり、その価格帯を狙いたかった層にとっては強力な壁となって立ちはだかった。

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