オークスは、本命アーモンドアイと未対戦で「侮れない馬」が1頭いる (2ページ目)

 とはいえ、今年はまず、アーモンドアイを取り上げなければいけないでしょう。

 シンザン記念(1月8日/京都・芝1600m)以来という、前代未聞のローテーションで挑んできた桜花賞(4月8日)は、長距離輸送もある関東馬でもあり、正直厳しい競馬になると思っていました。ただその反面、アーモンドアイには普通ではない可能性も感じていたので、もしここで勝つようなことがあれば、"化け物級"の馬だろうとも思っていました。

 結果はご存知のとおり、"化け物級"でした。同馬を管理する国枝栄調教師は、アパパネで牝馬三冠を遂げていますが、そのときよりも自信があるのではないでしょうか。

 アーモンドアイはロードカナロアの仔ですが、折り合いに不安がなく、しかもあの柔らかい走りはスタミナのロスが少ないため、距離が延びてもまったく心配はないと思います。

 そもそもロードカナロア自身、2013年の安田記念に勝った当時にも触れましたが、折り合ってタメが利くようになってからは、一介の短距離馬ではなく、2000mの天皇賞・秋でも好勝負できる馬だと思っていました。

 アーモンドアイはその血をきっちり受け継いでいると思います。おそらく日本ダービーに出走しても、好勝負ができたのではないでしょうか。そう考えると、同世代の牝馬相手には負けられませんね。

 桜花賞の際には、そんなアーモンドアイよりも人気を得ていたのがラッキーライラックでした。結果は2着。初めて土がついてしまいましたが、桜花賞のレース内容からして、同馬の評価が大きく下がることはありません。

 人気を背負っていた分、"横綱競馬"で勝ちにいっての結果。人気が逆なら、また違ったレースになっていたのではないでしょうか。

 ただ、この馬はそれこそ"完成度の高さ"で、それまでのレースで結果を出してきたようにも感じました。桜花賞で3回目の対戦となったリリーノーブルにも、初めて迫られましたからね。

 展開うんぬんはあるものの、桜花賞と同じような競馬だったチューリップ賞(3月3日/阪神・芝1600m)では、その前に対戦した阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日/阪神・芝1600m)のときよりも差を広げていました。チューリップ賞があくまでもトライアルだったとすれば、本番ではもっと差を広げてほしかったところです。

 そういう意味では、もしかするとリリーノーブルのほうが成長力があり、徐々に追いついてきたのかもしれない、とも受け取れるレース結果でした。

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