オークスは、本命アーモンドアイと未対戦で「侮れない馬」が1頭いる

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 ゴールデンウィークに行なわれたNHKマイルCから始まる東京競馬場でのGI5週連続開催。やはり、日本競馬の"顔"とも言われるスケールの大きな競馬場で行なわれるビッグレースは、ファンの方にとっても見応えがあることでしょう。

 同様にその舞台は、馬主さんをはじめ、調教師、厩務員など競馬に携わる者にとっても特別なものです。最も収容人数の多い競馬場ですから、歓声もとどろき、レースに乗っている騎手も、格別の雰囲気を味わうことができます。それはもう、乗っている者にしかわからない、ものすごい感覚です。

 例えば、東京ドームでライブを行なった場合、満席だと収容人数は5万5000人ほど。東京競馬場は、それこそ日本ダービーの開催日となれば、10万人を超えますからね。その盛り上がりは相当なものがあります。何となく、イメージしていただけたでしょうか。

 ちなみに、僕がサニーブライアンに騎乗して勝った1997年のダービーでは、18万人にも及ぶファンの方々の来場があったそうです。延べ人数ですので、メインレースの前にお帰りになられた方もいたと思いますが、それでも12万~13万人の方がレースを観戦していらっしゃったのではないかと思います。

 先にも触れましたが、そこでの感覚は、あのとき、あの場所でしか味わえない特別なものです。ですから、日本ダービーには勝ち負けを抜きにして「何度でも乗りたい」と思うのでしょう。まさに騎手冥利に尽きる一瞬ですからね。

 そんな大舞台の前週となる今週は、ダービーの"前夜祭"的な空気感がある、3歳牝馬の頂点を決する優駿牝馬オークス(5月20日/東京・芝2400m)が行なわれます。

 ダービーと同じ舞台となる東京・芝2400mという、3歳牝馬にとってはタフなコースで争われますが、テンから厳しい流れになることが多いダービーに比べると、オークスはやや落ち着いたレースになることが多いですね。

 それは、まだまだ華奢な若駒牝馬であるため、鞍上を務める騎手も「距離は大丈夫か?」と懸念しながら乗っており、おおよそ折り合いをつけることに専念し、なるべく体力を温存しようと心がけているからでしょう。

 その結果、普通の2400mの競馬よりも、直線での決め手勝負になることが多いですね。800mも距離が延びながら、桜花賞(阪神・芝1600m)組の好走が目立つのは、そのためだと思います。

 この時期の3歳馬ですから、よく言われる"完成度の差"もあるでしょう。ただし、その差が目立つのは桜花賞辺りまで。オークスの時期にもなると、春先からメキメキと力をつけて、頭角を現してくる馬がよく見受けられます。

 昨年の2着馬モズカッチャンや、一昨年の2着馬チェッキーノなどは、その類いでしょう。馬券的には、そうした馬の見極めが肝になるかもしれませんね。

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