大物オブセッションは「広いコースが
好き」。ダービーで真価を発揮か

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

2018年クラシック候補たち
第12回:オブセッション

 7番人気のエポカドーロが勝利して、波乱の結末となったGI皐月賞(4月15日/中山・芝2000m)。1番人気のワグネリアンは7着に沈み、他の人気馬も優勝争いに加わるまでには至らなかった。

 この結果から、牡馬クラシックの二冠目となるGI日本ダービー(5月27日/東京・芝2400m)の行方も混沌としてきた。皐月賞を回避した2歳王者ダノンプレミアムが復帰するとはいえ、同馬も一頓挫あったことを思えば、絶対視はできない。

 また、皐月賞出走が叶わなかった馬たちの中にも、ダービーでの躍進を狙う馬が数多くいる。今年の競馬界最高峰の舞台は、まさに激戦必至の様相だ。

 そうした状況のなか、トライアルからダービー出走を目指す馬で面白い存在となりそうなのが、美浦トレセン(茨城県)の藤沢和雄厩舎に所属するオブセッション(牡3歳/父ディープインパクト)だ。

 デビューは、昨年10月の2歳新馬(10月21日/東京・芝2000m)。重馬場という悪条件にあっても、2着馬との叩き合いを制して勝利を収めた。

 そして、この馬の注目度が一気に上がったのは、2戦目のシクラメン賞(12月2日/阪神・芝1800m)。7頭立ての6番手という後方待機でレースを進めて直線に入ると、大外から一気の差し切り勝ちを決めた。上がり33秒5という豪快な末脚を披露し、2着に4馬身差をつける圧巻の内容だった。

 勝ちタイムの1分45秒6も、この時期としては破格。ちなみに、およそ3カ月半後に同じ舞台で行なわれたGIII毎日杯(3月24日)の勝ちタイムは1分46秒5だった(勝ち馬ブラストワンピース)。それとの比較から、馬場条件やレース展開に違いはあるにしても、オブセッションがマークした時計がいかに速いかがよくわかる。

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