注目の弥生賞は「2強よりむしろ、オブセッションだろ」と言える根拠 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

 スポーツ報知の豊島俊介記者は、弥生賞の条件においてはオブセッションにも不安があるという。

「デビュー2戦2勝のオブセッションですが、2戦とも直線が長くて広いコースでした。跳びが大きくて、現時点では小回りコースへの対応にやや疑問が残ります。皐月賞より、日本ダービー(5月27日/東京・芝2400m)のほうが間違いなく合うタイプ。勝負どころでの反応がまだ鈍い点も含めて、機動力が求められる今回の舞台では、信頼は置きづらいですね」

 ただし、スケールの大きさでは「2強」にも引けをとらないという。

「新馬戦が道悪馬場で快勝、2戦目のシクラメン賞(12月2日/阪神・芝1800m)がレコード勝ちと、どんな馬場にも対応できるのは、やはり根本的な能力が高い証拠。加えて、以前は調教で目立つタイプではなかったのですが、この中間はしっかりと動けていて、馬の成長を感じます。

 2歳時の完成度では"2強"にアドバンテージがありましたが、クラシックを見据えるうえでは、成長度というのが大きなポイントとなります。その点、普段から追い切りに騎乗している杉原誠人騎手も『よくなっている』と、オブセッションの成長度合いに太鼓判を押していました。

 もともと血統的な裏づけもあるオブセッション。昨年3月の時点でもノーザンファームの関係者が相当な評価を与えていた馬なんです。スケールという意味では、このメンバーの中でもナンバー1かもしれません」

 2戦目のシクラメン賞では、レコード勝ちに加えて、後続に4馬身差をつける圧勝劇を演じた。それも、関西への長距離輸送を克服しての結果だ。このレースぶりから、スケールの大きさは十分に感じられた。

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