共同通信杯は、メンタルが強いこの「マル外」が大本命グレイルに迫る (3ページ目)


年が明けて、劇的な変貌を遂げたアメリカンワールド年が明けて、劇的な変貌を遂げたアメリカンワールド 同馬は新馬戦(10月21日/京都・芝1600m)から上位人気に推されたように、おそらく厩舎の期待が大きく、前評判も高かったと思います。ただそのデビュー戦は、季節外れの台風によって極悪馬場に見舞われてしまいました。そこで4着に敗れたことは、仕方がないでしょう。

 続く2戦目(11月5日/京都・芝1800m)は、中1週で挑みました。結果は3着。負担の大きい極悪馬場を走った直後、ということを考えれば、この結果も仕方がないと思います。逆に、ゴール直前まで内で粘っていたレースぶりから、能力の片鱗が見えたような気がしました。

 その後、間隔を開けて年明けに出走。その前走(1月13日/京都・芝1800m)が、過去2戦とは一変していました。

 後続に2馬身半差をつける完勝。ゴール前では流す余裕を見せるほどの圧巻の内容でした。2着が良血レーヴドリーブ(牝3歳)だったことを思えば、決して相手が弱かったわけではありません。短期間で大化けしたのかもしれませんね。

 今回は、初めての長距離輸送に加え、初コースと課題はたくさんありますが、そもそも"マル外"ですから、メンタル面は比較的強いのはないでしょうか。

 グレイルにどこまで迫れるか、ステイフーリッシュやゴーフォザサミットに先着できるか、しっかりとその走りを見守りたいと思います。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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