名手モレイラが魔法。マウントロブソンが札幌記念で「大化け」する (2ページ目)
おそらく、手綱を取っていた武豊騎手もそう感じていたことでしょう。母親のエアメサイアから主戦ジョッキーを務め、この馬の気性、性格を誰よりも理解していますからね。そういう意味では、今回乗り替わってしまうのは、本当に残念でなりません。
前走の安田記念(5着。6月4日/東京・芝1600m)は、確かにちょっとしたことで勝っていたレースかもしれませんが、運の要素が強く、仕方のない結果でした。
エアスピネルは、デビューから一貫して武豊騎手が手綱を取ってきました。まさに名手が、ここまで本当にうまく乗って、手も合っていたと思います。僅差で涙を飲んだ朝日杯フューチュリティS(2着。2015年12月20日/阪神・芝1600m)をはじめ、数々の悔しい思いも味わってきたと思いますが、その分、同馬と同騎手とのコンビで大舞台を制し、悲願を達成する瞬間を見たかったですね。
今回は、ルメール騎手が手綱を取ります。一見、鞍上強化のようにも見えますが、僕はプラスもあるでしょうが、マイナスもあると思っています。
戦績的には、サウンズオブアース(牡6歳)も格上の存在です。まだ2勝馬ですが、菊花賞、有馬記念、ジャパンカップというビッグレースで2着となった実績は、メンバー中随一と言えるでしょう。
今回はドバイ遠征後の復帰戦ですが、5月ぐらいから札幌記念での始動を視野に入れて調整してきたようです。秋の大舞台に向けて、さすがにここで目一杯には仕上げてこないと思いますが、休み明けでも走るタイプですし、恥ずかしい競馬はしないと思います。
今回の鞍上を務めるのは、横山典弘騎手のようですね。それも、楽しみのひとつになります。
もう1頭、ヤマカツエース(牡5歳)も実績上位の馬です。
重賞5勝。昨年末の有馬記念(2016年12月25日/中山・芝2500m)では、サトノダイヤモンド、キタサンブラック、ゴールドアクターに次ぐ4着と好走しました。さらに、今春の新設GI大阪杯(4月2日/阪神・芝2000m)でも3着。GI勝ちはないものの、そのクラスに匹敵する実力馬です。
また、重賞5勝中、4勝が2000m戦。3着に入った前走・大阪杯も2000m戦でした。現状では、最も得意とする距離と言えます。昨年は5着でしたが、当時よりもパワーアップしている印象ですし、メンバー構成を考えても有力な1頭だと言えるでしょう。
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