2017.08.03

小倉記念で思い出す、「善戦マン」
ナイスネイチャが輝いていたあの夏

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 日刊スポーツ/アフロ●写真 photo by Nikkan sports/AFLO

 名馬トウカイテイオーの同期に、ナイスネイチャという馬がいる。

 現役時代、トウカイテイオーは12戦9勝。うちGI4勝と、輝かしい実績を誇る。

 一方、ナイスネイチャは41戦7勝。重賞は4勝しているものの、GI勝ちはひとつもない。

 相撲で言えば、大横綱と前頭くらいの”格”の違いがあり、その成績においては比べようもない。

 だが、”存在感”という点においては、ナイスネイチャも負けてはいない。

 例えば、「トウカイテイオーのようなヤツ」という比喩(ひゆ)はあまり聞かないし、そう言われてもあまりピンとこない。しかし、「ナイスネイチャのような……」と言えば、当時の競馬ファンであれば、「ああ、そういうヤツか」といった想像を巡らすことができるのではないか。

 ひと言で言って、「もどかしいヤツ」ということだ。

 競馬では、典型的なジリ脚。毎回、いい感じで追い込んでくるが、そこからジリジリとしか伸びない。強い相手とやっても、弱い相手とやっても、それは変わらないのだ。

 ナイスネイチャの持つ、いまだ破られていない”珍記録”がある。GI有馬記念(中山・芝2500m)の3年連続3着である。このことから「ブロンズコレクター」の異名をとる。

 メジロマックイーンがダイユウサクに負けた、有馬記念史上に残る番狂わせが起きたときも、3着だったのはナイスネイチャだ。

有馬記念3年連続(1991年~1993年)3着という「珍記録」を持つナイスネイチャ