兄以上の逸材か。ヘンリーバローズは「すごい馬になるオーラがある」
厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第4回:ヘンリーバローズ
5月20日に行なわれた1000万下特別のオーストラリアトロフィー(京都・芝1800m)。GIシーズン真っ盛りの中、多くのファンはこの"条件戦"に視線を注いでいた。
なぜなら、このレースでかつて「クラシック候補」と呼ばれた馬が復帰するからだった。
その馬の名は、シルバーステート(牡4歳/父ディープインパクト)。2015年7月にデビューした同馬は、その1戦こそ2着に敗れたものの(※勝ち馬は、今年のGIヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリード)、2戦目の未勝利戦で2着に5馬身差をつける圧巻の走りを披露。初戦負けの評価を覆(くつがえ)すどころか、十分にお釣りがくるほどの能力を見せつけた。
さらに、3戦目となった500万下の紫菊賞(2015年10月17日/京都・芝2000m)でも、直線で楽々とライバルを捉える余裕の競馬で快勝した。その驚異的な切れ味でマークした上がりタイムは32秒7。再度、相当な器であることを示し、一躍翌春のクラシック候補に浮上した。
しかし、期待されたクラシックの舞台に、この馬の姿はなかった。サラブレッドにとって「不治の病」と呼ばれる屈腱炎を発症したのである。
引退に追い込まれることも少なくない屈腱炎だが、その能力を信じるスタッフのケアにより、シルバーステートは競走馬として再び戻ってくることができた。そして、その復帰戦となったのが、冒頭のオーストラリアトロフィーだった。
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