鞍上モレイラ&強気クルーズ師。安田記念の香港馬2頭は信じてOKか (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 そもそもこの馬に関しては、アンソニー・クルーズ調教師が昨年春の段階から「東京競馬場での適性を感じる。将来的には安田記念へ」と漏らしていた。2006年の安田記念をブリッシュラックで制しているクルーズ調教師が今年、それを実現。それだけ勝算があってのことだろう。

 また、今シーズンからは日本のことをよく知るザカリー・パートン騎手が主戦を務める。そして彼も、「この馬は硬くて、速い馬場が合う。東京でもいい勝負ができる」と太鼓判を押す。

 今回の遠征について、当初同馬のオーナーは乗り気ではなかったという。それが、クルーズ調教師とパートン騎手の説得によって、参戦が決まった。彼らとしては、当然手ぶらで帰るわけにはいかない。つまり、彼らがそれだけ"本気"だとも言える。

 来日後は、1週間ですでに2本の追い切りを消化。コンテントメントと同じく、ビューティーオンリーも順調だ。同馬に帯同し、日々の調教に跨(またが)るコディ・モー助手はこう言って笑顔を見せる。

「左回りもまったく問題ない。とにかく順調でハッピー。何ら不安はないし、レースが楽しみで仕方がない」

 モー助手は、2005年の安田記念とスプリンターズSの際にも来日。スプリンターズSではサイレントウィットネスで勝利を飾っている。

 安田記念で香港馬が猛威をふるっていた頃から久しいが、今年の2頭は国際GIを勝ってきた香港を代表するマイラー。モーリス級の主役を欠く今の日本のマイル戦線なら、かつてのような活躍があっても不思議ではない。軽視は禁物である。

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