オークスで雪辱を期すソウルスターリング。脅威はハーツクライ産駒3頭 (3ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  村田利之●写真 photo by Murata Toshiyuki


 スタセリタの父モンズーンも芝2400mのドイツGI勝ち馬で、種牡馬としてもドイツのチャンピオンサイアーに輝き、英GIキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝ったノヴェリストや米GI BCターフのシロッコ、母の父としても独GI独ダービーのシーザムーンなど多くの中長距離の名馬を送っている。元々、オークスは短距離やマイラー血統でも実力次第で好走可能なレース。中距離以上の適性がこれだけあれば、血統面の不安はほとんどないと言える。ソウルスターリングのオークスでの巻き返しは可能だと見る。

 あとは他馬との比較になってくる。桜花賞を勝ったレーヌミノルはダイワメジャー産駒で、2400mへと距離が伸びて有利というタイプではないが、2着のリスグラシューはハーツクライ産駒で、もともと桜花賞よりオークス向きと見られていた馬。桜花賞2番人気ながら12着と敗れたアドマイヤミヤビ(牝3歳・友道康夫厩舎)も、東京・芝2000mの百日草特別(2016年11月6日)で後に重賞2勝のカデナを破ったように、距離延長がプラスに働きそう。さらに、忘れな草賞(4月9日/阪神・芝2000m)を勝った新星ハローユニコーン(牝3歳・鮫島一歩厩舎)もおり、このハーツクライ産駒3頭は、かなりの強敵になりそうだ。

 筆者は今年1月に書かせていただいたクラシック展望でも、"オークスはリスグラシュー"という見解で、ソウルスターリングと大きな差はないとしている。これにアドマイヤミヤビ、ハローユニコーンを加えた4頭はどれが勝っても不思議ではなく、当日の馬場状態や枠順、レースの流れなど、状況次第で結果は変わってくるのではないか。難解だが、おもしろいレースになりそうだ。

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