天皇賞・春に2強決着なし。歴史が「この3頭を狙え!」と言っている (4ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 続いて、2015年は2番人気のゴールドシップが快勝したが、2着に7番人気のフェイムゲームが飛び込んで波乱を演出した。それまでにGIIIダイヤモンドS(東京・芝3400m)を連覇するなど、生粋のステイヤーだったフェイムゲーム。たとえ格下の評価であっても、距離適性に秀でるタイプは狙ったほうがいいだろう。

 そこで面白いのが、アルバート(牡6歳)だ。

長距離戦の適性ではピカイチのアルバート長距離戦の適性ではピカイチのアルバート こちらもGIIステイヤーズS(中山・芝3600m)を連覇し、前走はダイヤモンドS(2月18日)を制してこの舞台に挑む長距離巧者。昨年の天皇賞・春では6着に敗れており、「一線級には通用しない」と見る向きもあるだろうが、フェイムゲームも初参戦となった4歳時の天皇賞・春では6着に敗れ、翌年2度目の挑戦で2着となって「2強」崩しを実現した。アルバートが激走する可能性は大いにある。

 最後に、今年の「2強対決」に似た1996年を例にして穴馬をピックアップしてみたい。当時の「2強」だったナリタブライアンとマヤノトップガンはともに菊花賞を制して、距離面で問題を抱えていなかった。前述したとおり、前哨戦でも熱戦を演じてまったくと言っていいほど、どちらにも不安は見当たらなかった。

 にもかかわらず、「2強」は崩れた。しかも、頂点に立ったのも「2強」以外の馬だった。圧巻のレースで「2強」を退けたのは、離れた3番人気(単勝14.5倍)のサクラローレルだった。

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