荒れまくる天皇賞・春。穴は
クセ馬を操る横山典のゴールドアクターだ

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 春のGIシリーズは、これから6週連続開催。いよいよ佳境に入っていきますね。

 今週は、「8大競走」のひとつである天皇賞・春(4月30日/京都・芝3200m)が開催されます。ジャパンC(東京・芝2400m)の施行により、距離が短縮された天皇賞・秋(東京・芝2000m)とは違って、第4回(春としては2回目)から一貫して芝3200mという長丁場で争われてきた伝統の一戦です。

 実力はもちろん、地力や底力が問われる舞台とあって、かつてはタマモクロスをはじめ、スーパークリーク、メジロマックイーン、ライスシャワー、ビワハヤヒデ、メジロブライトなど、誰もが認める力のある馬が優勝。その分、"堅い"イメージが強いレースでした。しかし近年は、"荒れる"イメージのほうが強くなっています。

 実際、過去3年間の3連単の配当は、すべて20万円超えの高配当。その少し前には、91万1660円(2010年)、145万2520円(2012年)という超高額配当も飛び出していて、荒れに荒れています。

 その高配当を、逆の意味で演出しているのが、単勝1倍台の断然人気で馬群に沈んできたオルフェーヴルやゴールドシップ、キズナらの存在。また、上位人気馬がきっちり走ったとしても、相手に超人気薄が飛び込んできて高配当になる、そうした状況がずっと続いています。

 その理由は、馬づくりにおいて、やはりスピード優先になってきているからでしょう。

 それこそ、天皇賞・春が"堅かった"頃は、菊花賞(京都・芝3000m)や有馬記念(中山・芝2500m)、そしてこの天皇賞・春を含めて、中距離以上の大レースを勝った馬の価値が高い時代でした。それが今は、モーリスやロードカナロアが種牡馬としての価値を高めているように、どちらかと言えば、スピード優先の配合が多くなっています。

 その要因としては、マイルから中距離戦線の番組構成が充実していること。そして、それらの路線の賞金も高額になっていることが挙げられます。ゆえに、3200mという長丁場でタフなレースにマッチする馬が極端に減っていて、それが波乱を起こす、ひとつの要因になっていると思います。

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