天皇賞・春に2強決着なし。歴史が「この3頭を狙え!」と言っている (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 古くは、1992年。トウカイテイオーとメジロマックイーンの「2強対決」は、2番人気メジロマックイーンが勝利したものの、1番人気トウカイテイオーは5着に敗れた。

 1996年もそうだ。前哨戦の阪神大賞典で3着以下を9馬身も離してマッチレースを演じた、ナリタブライアンとマヤノトップガンの「2強」の再戦に注目が集まったが、1番人気のナリタブライアンは2着、2番人気のマヤノトップガンは5着に終わった。

 その2年後の1998年も、大方の予想は阪神大賞典でしのぎを削ったメジロブライトとシルクジャスティスによるマッチレースの再現だった。ところが、メジロブライト(2番人気)が戴冠を果たしたものの、ライバルのシルクジャスティス(1番人気)は4着にとどまった。

 近年もそうした傾向にあって、2013年には1番人気ゴールドシップと2番人気フェノーメノが他馬の単勝オッズとは大きな差をつけながら、フェノーメノが勝利を飾る一方で、ゴールドシップは5着に敗れて「2強」の明暗が分かれた。

 また、2015年も単勝オッズこそ上位4頭が接近していたものの、実質的には1番人気キズナと2番人気ゴールドシップによる「2強対決」と見られていた。しかしこれまた、栄冠を手にしたゴールドシップに対して、キズナは7着と完敗を喫した。

 そうそうたる名馬たちが「2強」を形成しながらすんなり決まらないのが、天皇賞・春。ならば、今年もどちらかが崩れるとみて、「2強」に割って入る伏兵を探してみたい。歴史を踏まえれば、それこそ、現実的な発想と言えるのではないだろうか。

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