天皇賞・春の「2強」論争に異議あり!割って入るのはシャケトラだ (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by Yamane Eiichi/Aflo

「ソエが出たり、体質の弱かった3歳時と比べて、見違えるように体質も強くなって、前走後も順調に調整できています。日経賞も前走から斤量が2kg増えても、むしろ強い内容。この内容ならGIも行ける、と実感しました。12月の段階でまだ1000万下条件だったので、年が明けてこんなにスムーズにいくとは全然考えてもいませんでしたから、厩舎でもみんな驚いていますね。

 初めての3200mになりますけど、折り合いはまったく問題のない馬ですし、(天皇賞・春も制している)マンハッタンカフェの仔ですから、むしろ悪くないと思います」

 また、日経賞から手綱を取る田辺裕信騎手はレース前の経緯と感触をこう振り返る。

「それまで乗っていた浜中(俊)騎手が騎乗停止で乗れなくなって、そこで声を掛けてもらいました。関東の先輩騎手などから、『シャケトラに乗るのか。あの馬いいぞ』と言われていたんですが、僕は普段、ほかの馬はあまり気にしていないんで、まだピンときてなかったんですね。それで、同じ週の高松宮記念で乗るソルヴェイグの調教に乗りに栗東に行ったとき、シャケトラにも乗せていただいて、跨ってみると『おっ、この馬走るぞ!』と。言われていたことになるほどと思いましたね」

 日経賞では後方待機から、外めを終始追走。向こう正面から徐々に進出していき、4コーナーで前を射程圏に入れると、ゴール前でひと伸びを見せて勝利。しかし、レースプランは田辺騎手が思い描いていたものとは異なるものだったという。

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