レッドファルクス軽視に異議あり。高松宮記念は本当に「混戦」なのか (2ページ目)
ところが、高松宮記念の下馬評は「大混戦」。スプリント王が参戦するにもかかわらず、「絶対王者不在でやや低調な争い」とまで言われている。それは、レッドファルクスが香港以来のぶっつけ参戦ということもあるが、やはりこの馬の実力について、半信半疑の人が多いからではないだろうか。
そこで、レッドファルクスは本当に信頼の置けない存在なのか、ここまでのキャリアを振り返りつつ、その真偽を探ってみたい。
レッドファルクスの成績を見て、まず目につくのがダート戦の多さだ。トータル19戦8勝のキャリアのうち、約半分の9戦がダートで4勝を挙げている。完全な"芝・ダート兼用"の馬と見ることができる。
元をたどれば、デビューから4戦は芝のレースを使って、3戦目に勝利を挙げている。それでいて、5戦目からダート戦に矛先を向けた。
なぜか? 実はこの部分に、レッドファルクスの"本質"が隠されている。同馬を所有する東京ホースレーシングの佐伯昌道氏が、その理由を説明する。
「レッドファルクスは、もともと左のトモ(※腰からお尻、脚の付け根まで)が弱く、右回りがまったく走れなかったんですよね。調教で右回りを試しても、フォームがガタガタになってしまうほどで......。そのため、左回りの短距離戦ばかりを使ってきました。
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