天国のオーナーと母がひと押し!ゴールドアクターが有馬記念連覇へ (5ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 当日は雨による重馬場。そして、直線では先に抜けたメイショウカドマツが粘りこむ厳しい展開となった。それでも、ゴールドアクターはライバルを必死に追いかけ、ゴール寸前で捉えた。わずかアタマ差という激戦だった。

「あの勝利がなければ、次の有馬記念には出られなかったわけですから、本当にうれしかったですね。あそこで馬の人生が変わったと思います」

 まさに分岐点。有馬記念の出走チケットをつかんだ同馬は、8番人気ながら見事にグランプリを制覇したのだった。

 チャンピオンとなった今年は、GIIレースこそ盤石の強さで制しているものの、GIでは天皇賞・春(5月1日/京都・芝3200m)が12着、そして前走のジャパンカップ(11月27日)が4着と、ふたつ目の勲章を手にすることはできていない。

 そうした状況で迎える2度目のグランプリ。寿与氏は「昨年とは立場が違う。今年は負けられない」と力を込める。

「この1年で、ゴールドアクターは私たちの馬というより、ファンのみなさんの馬になったと感じています。いたるところで声援をいただきますし、ファン投票でも3位になりましたから。今やみなさんの馬だからこそ、今年は負けられない立場。相手が強いのは百も承知ですが、勝ちにいくレースをしてほしい。そんな気持ちです」

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