「地味な血統」が大化けするか。野望が渦巻く2歳牡馬ランキング (5ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Miura Koichi

 4位には、1勝馬のムーヴザワールド(牡2歳/父ディープインパクト)が入った。全姉は、重賞勝ち馬タッチングスピーチという良血。秘めた素質で言えば、上位3頭にも引けを取らない。

吉田氏
「超ハイレベルの新馬戦では、ソツのない立ち回りと、狭いところをこじ開ける根性を見せて、良血エアウィンザーを競り落として快勝しました。2戦目には、いきなり重賞の東スポ杯2歳Sを選択。その時点で、陣営は相当な手応えをつかんでいたのでしょう。結果は、タイム差なしの3着。2戦目の重賞でそれだけの成績が残せるのも能力があってこそ。もう少し時間が経てば、秘めたポテンシャルをフルに発揮してくれると思います。母父サドラーズウェルズ、父ディープインパクトという配合で、500kgを超す雄大な馬体の持ち主。この馬が世代屈指の能力があることは、ここ2戦のパドックやレースで十分に感じました。あとは、タービーまでにどこまで完成度を上げられるかが勝負。ジェンティルドンナを育てた石坂正厩舎の日迫真吾助手の手腕と、同馬の将来性を買って、私は1位に評価しました」

 5位に入ったのは、GIII京都2歳S(11月26日/京都・芝2000m)を勝ったカデナ(牡2歳/父ディープインパクト)。これまで4戦して2勝、2着2回と安定した成績を残している。

市丸氏
「不利もあって、2着に敗れた百日草特別(11月6日/東京・芝2000m)までは、それほど突出した能力を示していたわけではありませんでした。しかし、京都2歳Sではスローの流れの中、じっくり後方で待機すると、1頭だけケタ違いの瞬発力を披露しました。京都の軽い馬場が合っているのかもしれませんが、今年のディープインパクト産駒の中では、今のところナンバー1の存在と言えるでしょう。今後は、東京や中山の直線の坂をどう克服していくかが、勝利へのカギとなってきます」

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