国内初のGI制覇なるか。天皇賞・秋でエイシンヒカリが有利なわけ (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 さて、そのエイシンヒカリは、年内にあと2戦して現役を引退。その後は種牡馬になることが決まっている。

 2戦目が昨年勝った香港カップ(香港・芝2000m)に出走する予定ゆえ、今週出走予定の天皇賞・秋(10月30日/東京・芝2000m)が、国内でのラストランとなる。

 常識的に考えれば、今回は6月のプリンスオブウェールズS(6月15日/イギリス・芝2000m)以来、約4カ月の休み明け。天皇賞・秋は昨年9着に惨敗したレースでもあり、勝負は相性のいい次の香港カップと見るべきだろう。つまり、引退レースを飾るという意味においても、天皇賞・秋は香港カップへのステップレースと考えられる。

 だが、そうした見方はどうも間違いらしい。前出の競馬専門紙記者が言う。

「この馬の場合、勝つための条件は、いかに気分よく逃げられるかに尽きるわけですが、その点からふたつのレースを比較してみると、今年は天皇賞・秋のほうが条件に合いそうなんです」

 確かに昨年の香港カップは、天皇賞・秋惨敗後の一戦だったため、13頭立ての9番人気と評価が低く、その分、楽に逃がしてもらえるという有利さがあった。しかし、ディフェンディング・チャンピオンとして迎える今年は、当然他馬のマークが厳しくなる。

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