凱旋門賞、マカヒキ14番枠に問題なし。ライバル勢には不安あり (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 この日の朝の測定で、舞台となるシャンティイ競馬場芝コースの馬場状態は、ペネトレメーター計測で3.1~3.2の"Bon"。日本で言うところの良馬場に相当する。日曜までは、若干の雨が予報されているが、大きな影響を与えるほどの降雨量は見込まれていない。

 これらを踏まえて、マカヒキ以外の有力馬について、改めて分析したい。

 やはり一番計算が立つのは、ブックメーカーで1番人気のポストポンドだろう。昨年の"キングジョージ"以降6連勝中。馬場を問わないドバウィの産駒で、ドゥラメンテを下したドバイでのレースぶりからも硬めの馬場は歓迎と、もっとも死角が少ない。内過ぎず外過ぎない7番枠を引き当てたのもプラスだろう。懸念があるとすれば、優勝例の少ない5歳であること、呼吸器系のトラブルで今年のキングジョージを見送った影響、そして前走の英インターナショナルSでゴール前にやや苦しがる面を見せたところ。それでも振り切ってみせたのだから、じっくりと間隔をとって調整された今回はよりよい状態での出走が期待できる。

 馬場で言えば、4歳牝馬ファウンドにとってもプラスと言える。ここまでGIを2勝、2着9回の安定株で、硬めの馬場のアメリカ・キーンランドで、昨年のブリーダーズカップターフを凱旋門賞馬ゴールデンホーン相手に勝利している。また、なんといっても、ライアン・ムーア騎手がこの馬を選んだこと自体に勝負気配を感じさせる。3歳馬が強いといわれるレースながら、一昨年のトレヴ、12年のソレミアが優勝しているように古馬牝馬も決して劣っているわけではない。懸念をもうひとつ挙げるとすれば臨戦過程で、過去20年の凱旋門賞の勝ち馬のうち、前走で本番と同じコースで行なわれるフォワ賞、ニエル賞、ヴェルメイユ賞の3競走以外で負けていたのは、10年のワークフォースのみということ。ファウンドは前走の愛チャンピオンSで2着だった。

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