マカヒキの凱旋門賞制覇に立ちはだかる、恐るべき欧州の強豪馬たち (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by AFLO


 そして、目下の本命と目されるのが、この週末は出走のなかったポストポンド(牡5、父ドバウィ)である。昨年のGIキングジョージ六世&クイーンエリザベスS(イギリス・アスコット競馬場/芝12ハロン)以来、GI4勝を含む6連勝中。今年の3月、GIドバイシーマクラシック(UAE・メイダン競馬場・芝2410m)では、ドゥラメンテに落鉄の影響があったとはいえ、これに直線で並ぶ間すら与えずに勝利したのは記憶に新しい。昨年もフォワ賞を制して凱旋門賞に向けて気勢が上がったが、突然の転厩などもあって、本番には駒を進めなかった。その昨年よりも充実した状態だけに、1番人気に推すブックメーカーの評価以上にマカヒキにとって難敵となるのは間違いない。

 残り3週間。すべてが日本とは異質で、日本で走るときと同じようにはいかない。それでも、過去に同じステップで凱旋門賞に挑み、惜敗した馬たちはいずれもこの3週間で驚くべきパワーアップを遂げていたのも事実。オルフェーヴルの1回目の挑戦は、日本ほど鋭い脚が使えないと思われていたのが、逆に本番では鋭く切れすぎたほどだった。

 幸いにして落鉄の影響も軽微な様子。マカヒキもこのまま無事に調整を積み、レース当日までに我々が驚くような進化を遂げることを楽しみにしたい。

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