キーワード「惨敗」と「牝馬」で、宝塚記念の穴馬が3頭わかった (4ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 過去10年で穴をあけた2着馬のうち、残り1頭は2014年のカレンミロティック。今年も出走する同馬は、2013年秋のGII金鯱賞(中京・芝2000m)で初の重賞制覇を飾ると、続くGI有馬記念(中山・芝2500m)でも6着と奮闘した。年が明けて2014年、GII中山記念(中山・芝1800m)では14着と惨敗したものの、その後の大阪杯とGIII鳴尾記念(阪神・芝2000m)では4着と健闘。特に鳴尾記念では勝ち馬とタイム差なしの接戦を演じていて、上り調子にあった。

 宝塚記念を迎えるにあたって、まさに“好走の兆し”を見せていたわけだ。そして実際、宝塚記念で2着という好結果を残した。

 これに似たタイプを探してみると、タッチングスピーチ(牝4歳)が目に止まった。同馬は、昨年のGIIローズS(2015年9月20日/阪神・芝1800m)で初めての重賞タイトルを獲得。その後、GIエリザベス女王杯(3着。2015年11月15日/京都・芝2200m)や、年明け初戦の京都記念(2着)などで好走し、一線級相手でも通用する力を示してきた。

 ここ2走、大阪杯とGII目黒記念(5月29日/東京・芝2500m)では、9着、6着と連敗している分、人気落ちは必至だが、今年はずっと牡馬一線級相手にもまれてきた。そうした経験を積んで、直近の目黒記念では勝ち馬とはコンマ4秒差と、着実にレベルアップしていることを証明。カレンミロティックと同様、明らかに“好走の兆し”を見せており、上位に食い込む可能性は大いにある。

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