安藤勝己がじっくり厳選。超ハイレベルの「3歳牡馬番付」 (4ページ目)

  • 新山藍朗●構成 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

小結:エアスピネル(牡3歳)
(父キングカメハメハ/戦績:4戦2勝、2着1回、3着1回)

 弥生賞では上位2頭に離されたとはいえ、「3強」の次に名前を挙げるとすれば、この馬。もともと馬体はいいし、血統もいい。冒頭で「例年ならクラシック馬」と評したように、持っている能力も相当なものだ。弥生賞でも、4着の馬には5馬身もの差をつけているからね。生まれた年が悪かったとしか言いようがない。

 しかしながら、弥生賞の負けは、この馬らしくない競馬をしてしまったのが原因。リオンディーズと僅差の勝負を演じた朝日杯FS(2着)では中団でうまく折り合っていたのに、弥生賞ではスタート後に行きたがる素振りを見せて、道中もややロスが多かった。それが、最後の伸び脚に影響したんじゃないだろうか。

 朝日杯FSのような競馬をしていれば、(前と)2馬身も離されることはなかったと思う。勝ち負けは難しいかもしれないけど、侮れない存在であることは間違いないよ。


前頭筆頭:アドマイヤダイオウ(牡3歳)
(父ディープインパクト/戦績:4戦3勝、3着1回)

 この馬もディープ産駒だけど、馬体が大きいところも、ジワジワと伸びてくるレースぶりも、ディープ産駒らしくなくていい。前走の若葉S(3月19日/阪神・芝2000m)でも、向こう正面からまくり気味に前にいって、最後差されたかと思ったら、差し返した。ああいう強引な競馬をして、最後でも根性を見せて勝つディープ産駒は珍しい。そういうところが自分の好みだし、今後に向けても期待が膨らむ。

 デビュー戦で敗れたあとは、ここまで3連勝。それも、結構荒っぽい競馬をして勝ってきている。そういうのはなかなかできることじゃないし、そんなところにも“器のでかさ”を感じる。ちゃんと走れるようになったら、どれだけ走れるのか、といった楽しみもある。

 そうは言っても、やや器用さが欠ける分、皐月賞はちょっと厳しいかも。ダービーでは面白い存在になれると思うから、それまでにどれだけ成長できるか。期待したいね。

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