【競馬】菊花賞は「上がり馬」スティーグリッツの大駆けに期待 (2ページ目)

 リアルスティールは、僕が好きなタイプの馬です。折り合いをつけて脚を溜めることができれば、どこまでも伸びていきそうな決め手を持っています。ダービー(4着。5月31日/東京・芝2400m)では、レース中の故障が影響してか、最後は伸びあぐねましたが、それまでのレースぶりは、間違いなく世代トップクラスでした。

 そもそも、理由があるにしても、二冠馬ドゥラメンテ(牡3歳)を後ろから差したことがあるのは、この馬だけです。将来的にも、ドゥラメンテに迫る存在だと思っています。

 今回の枠順は、6枠11番。ここなら、出たなりで前に壁を作れそうですから、十分に能力を発揮できると思います。

 もうひとつの前哨戦、セントライト記念(9月21日/中山・芝2200m)を勝ったキタサンブラック(牡3歳)も、雰囲気的には菊花賞の舞台が合いそうな気がします。ダービーで大敗(14着)したことで、長距離戦に疑問を持っている方もいるでしょうが、ダービーで敗れたのは距離ではなく、別の理由があったのではないかと思っています。

 休み明けの前走セントライト記念では、春の好走時と同様の走りを披露。強い競馬を見せてくれました。確かに恵まれたところもありましたが、7枠13番という外枠スタートながら、すかさず好位を取りにいって、1コーナーを回るところでは折り合いがついていました。そして、終(しま)いもきっちり伸び切って快勝。菊花賞を見据えれば、かなり評価していい内容だったと思います。

 本番では、楽に先行できる2枠4番という絶好枠を引きました。楽しみな一頭です。

長丁場の菊花賞。スティーグリッツの一発があってもおかしくない。長丁場の菊花賞。スティーグリッツの一発があってもおかしくない。 前哨戦組に有力馬がそろう菊花賞ですが、「ヒモ穴馬」には別路線組のスティーグリッツ(牡3歳)を取り上げたいと思います。

 同馬は、新馬戦のパフォーマンスからすれば、春のクラシック戦線を賑わせてもおかしくない存在でした。しかし、2戦目の萩S(2014年11月1日/京都・芝1800m)で4着と敗戦。そのレース中に、落鉄したうえ、どうやら故障もしてしまったようです。

 そこから復帰したのが、約8カ月後。ダービーも終わってしまった今年の6月末でした。普通なら、何としてもダービーに間に合わせようとするものですが、じっくり我慢したことで、復帰3戦目、4戦目と連勝。三冠最後のレース出走につながったと思います。

 今回は、相手が一気に強化されますが、奥がありそうなタイプで、まだまだ伸びしろが期待できます。実績のあるメンバーを相手にしても、好勝負してくるのではないでしょうか。

『勝つ馬は見えました。あとはあの馬に気付くかがカギですね』
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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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