【競馬】菊花賞は「上がり馬」スティーグリッツの大駆けに期待

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 3歳牡馬クラシック最終戦となる菊花賞が、10月25日に開催されます。舞台は、京都の外回り芝3000m。距離が長いだけでなく、勝負の分かれ目となり得るポイントが多く、ジョッキーにとっては乗り難しいコースです。

 スタート地点は、向こう正面の坂を上り切るあたり。すぐに(1周目の)3コーナーを迎えますが、感覚的には先週行なわれた秋華賞(京都・芝2000m。※スタート地点は正面スタンド前)のスタートよりも、早くコーナーがやってきます。そして、その3コーナーからは下り坂となります。ある意味で"ここ"が、菊花賞の最重要ポイントと言えるかもしれません。

 というのも、スタートしてからはある程度いいポジションを取りたいところですが、そのポジション取りに逸(はや)って動いてしまうと、直後に下り坂があるため、行く気になった馬がそのまま引っかかってしまう危険があるからです。しかも、4コーナーを回ると、大歓声が上がっているスタンド前に入っていくことになります。そこで、馬を落ち着かせるのは、また難しいものです。とにかく、最初のコーナー、3コーナーへの入り方に、ジョッキーは最も気を使わなければいけないでしょうね。

 特に外枠を引いた場合は、より難しい競馬を強いられると思います。3、4コーナーは、それぞれコーナーの曲がり自体がきついため、外目の位置取りでは外に振られやすく、ロスの多い競馬になりかねないからです。

 それを防ぐためには、スタートして出足よく前目の位置を確保するか、すぐに内に入れるか、後方まで下げるか、です。ただし、上位人気に推されている馬ならば、さすがに後方に控えたくはないので、ある程度前に出していくことになるでしょう。そうなると、前述したように引っかかる"危険"が待ち受けています。人気馬に騎乗するジョッキーにとっては、本当に難しい選択を迫られます。

 何にしても、長距離戦における一番のカギは、折り合いをつけること。折り合いを欠いて息が入らなければ、3000mという距離を乗り切ることができませんからね。だからこそ、菊花賞ではスタート直後が最大の難所と言えるかもしれません。

 さて、今年の菊花賞で人気を集めそうなのは、前哨戦の神戸新聞杯(9月27日/阪神・芝2400m)を勝ったリアファル(牡3歳)と、2着リアルスティール(牡3歳)といったところでしょうか。

 リアファルは、ルメール騎手が鞍上ということでも人気になりそうです。8枠17番という外目の枠を引いたことが、前述のとおり不安要素となりますが、比較的折り合いに気を使うことなく、乗り役に従順なタイプに見えます。また、芝のレースを使うようになってからの近2戦は逃げ切り勝ちを収めていますが、あれだけ素直な馬なら、ハナにこだわらなくても大丈夫ではないでしょうか。

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