【競馬】秋華賞制覇へ。苦境を乗り越えた良血トーセンビクトリー

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

秋華賞に挑む「良血3強」の勝算(1)
トーセンビクトリー編

 10月18日に行なわれるGI秋華賞(京都・芝2000m)。3歳"牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)"の最終戦となる一戦は、3頭の良血馬が注目を集めている。

 その3頭とは、タッチングスピーチ(父ディープインパクト)、ミッキークイーン(父ディープインパクト)、トーセンビクトリー(父キングカメハメハ)。彼女たちは、前哨戦となったGIIローズS(9月20日/阪神・芝1800m)で上位入線を果たし()、本番でも有力候補に挙げられている。
※1着=タッチングスピーチ、2着=ミッキークイーン、3着=トーセンビクトリー

 その有力3頭のうち、"挫折"を経て大一番に臨む馬がいる。トーセンビクトリーである。

夏場の条件戦を勝ち上がって、3歳牝馬の覇権争いに加わってきたトーセンビクトリー。夏場の条件戦を勝ち上がって、3歳牝馬の覇権争いに加わってきたトーセンビクトリー。 彼女は昨年11月、デビューしてわずか3カ月あまりで骨折。今春の二冠を棒に振る悲劇に見舞われた。しかしその苦難を乗り越えて、今年5月に復帰。下級クラスから勝利を重ねて、"最後の一冠"となる舞台に何とか間に合った。

 母は、2001年のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を制したトゥザヴィクトリー。この"名牝"は繁殖牝馬としても優秀で、重賞5勝を挙げたトゥザグローリー(牡)や、2014年のGII弥生賞(中山・芝2000m)を制し、同年のGI皐月賞(中山・芝2000m)、GI有馬記念(中山・芝2500m)で2着と健闘したトゥザワールド(牡4歳)などを輩出している。

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